2021年02月27日

スーパーサイヤ人現る!

「除草剤効かない外来種定着か」(信濃毎日新聞2月23日)

という記事がありました。


オオホナガアオゲイトウという雑草で、除草剤が効かなくなったものが国内三か所の港で確認されたそうです。


どのタイプの除草剤が効かないのかの記述はありません。しかし、「米国では2000年代、主要な除草剤の一つ「グリホサート」の働きを弱めるよう遺伝子が変化したタイプが見つかり」という一文があるので、この国内の種もグリホサートが効かなかったのかと推測しています。


「グリホサート」は世界でもっとも使われていてかつ悪名も高い「ラウンドアップ」の主成分で、ジェネリック農薬も多数販売されています。


大量に使われているから、耐性を獲得した種も生まれやすいと思います。これが国内で初めての確認というのがむしろ意外でした。殺ダニ剤は抵抗性が発達しやすいので、新薬開発とのいたちごっこですが、ジェネリックが出回るほど長く使い続けられるということは、除草剤は耐性が発達しにくいみたいです。


ちょっと気になったのは「遺伝子が変化した」という表現です。

薬剤耐性(殺虫剤に対しては抵抗性)とは、その薬を浴びた虫・病原菌・草がスーパーサイヤ人のように復活して獲得するものではありません(スーパーサイヤ人は、瀕死の状態まで痛めつけられてから回復すると、それ以前よりはるかに強くなる※筆者注)。

もともとそういう遺伝子を持っている個体が生き残って、それが増殖することでやがてその種全体が耐性を持つのです。


このあたりの桃やりんご栽培は除草剤への依存度が相対的に低いです。ほとんどの生産者が、雑草を「抜く」より「刈る」ことにより管理しているので、除草剤が使わなくともなんとかなるからです。


しかし、除草剤に頼らないと経営上、とても厳しい状況に追い込まれる作物もあるでしょうから、今後どうなっていくか気になりますね。





posted by 農天気 at 21:34| Comment(0) | よもやま話

2021年02月20日

ニュータイプトマト見参!

「ゲノム編集」によってつくられたトマトの販売が日本で初めて承認されたそうです。


昨年末のことですが、またしても知らなかった・・


毎朝、新聞に目を通しているし、ヤフーニュースもチェックしてるのに・・・見逃したのかな?


テレビ報道はされたのでしょうか。

ググってみたら、ニュースサイトや専門機関の解説サイトはたくさん出てくるけど、一般人のブログやサイトは見当たらないので、報道は小さめだったのでしょう。

うん、そうに違いない。


だって一般に広く知られてたら、もっと騒ぎになってもおかしくないですか?

日本人は「遺伝子組み換え食品」へのアレルギーが大きいですから。


ただ、「ゲノム編集」は「遺伝子組み換え」とは区別されています。


私がとても簡単に理解したところによると、「遺伝子組み換え」は「その種がもともと持っていない遺伝子を組み込むこと」で、「ゲノム編集」は「その種の持っている遺伝子を変化させる」ということです。


自然界における「突然変異」と同様の反応だそうです。

自然に起こりうることを人工的に起こしているだけなので、安全性に問題はないと考えられています。


江面さんという大学教授が開発を進めたそうです。生産者には「ゲノム編集」であることをはっきり示して販売してほしいと言っています。


「ゲノム編集」は「遺伝子組み換え」と違って、表示の義務はないそうですが、それでも新技術についてみんなに理解してもらおうと、積極的に情報開示すると言います。


反発を恐れて政策を本音で訴えず、国民の耳当たりのよいことばかり言って丸めこもうとする政治家に見習ってほしいものです。




posted by 農天気 at 21:38| Comment(0) | よもやま話

2021年02月13日

大玉を作りたいが・・・

世の中には、大きなりんごを作る人と、小玉ばかり作る人がいます。

桃も同様です。


一般に日本では、果物はある程度の大玉のほうが評価されます。りんごはまだ小玉であっても、食べきりサイズでよいとか、丸かじりできるとか、日持ちがよいとかの利点はありますが、桃に関しては圧倒的に大玉優位の世界です。


桃は種が大きく、かつ種の大きさは果実自体の大きさと比例しないそうなので(小さい果実でもそれなりに種は大きい)、小さい果実だと種の比率が大きくなり、歩留まりがわるくなります。一生懸命皮をむいても、種をよけて切り分けると可食部分はわずか・・・という切ない思いをします。

加えて桃は大きい方が糖度ものりやすいといわれています。


りんごは大きすぎると大味になるので、こちらも敬遠されますが、それでも小玉に比べれば大玉のほうが相対的に高値で取引されます。


にもかかわらず、毎年小玉ばかり作ってしまう人がいます。


果実の大きさを決める要因は養分の供給量、摘果の早晩です。


肥料を多くくれてやれば大きくなりやすいし、樹勢が旺盛であればこちらも大玉傾向です。

ただ、肥料過多や強樹勢により大玉になった果実はあまり美味しくないことが多いです。


となると、食味を維持したまま大玉を作ろうと思ったら、摘果を早く行うことと、着果量を減らことが重要です。

至極簡単に思えますが、それでも毎年小玉を作ってしまう人がいる。

前年、小玉だったのなら、今年はより早く摘果して、かつあまり生らせすぎないようにすればよいのですが、なかなかそれができないのですね。


小玉作りは「体質」に近いものがあると思います。


忙しくて手が回らず、摘果が遅くなってしまうという事情がほとんどでしょう。

しかし、同じような条件下でも大玉を揃えてくる生産者もいることを考えると、そればかりが理由ではなく、「どうしても着果量が減らせない!」という体質といってよいのではないでしょうか。


体質改善が困難であることは多くの人の実感でしょう。果物づくりでもこの「小玉体質」は厄介です。

posted by 農天気 at 22:11| Comment(0) | よもやま話