桃の産地では、樹の枯死が問題となっています。
何で枯れるのか?と聞かれると、
「弱って枯れる」としか言えないのですが、
何故弱るのか?と聞かれると、
それは忌地(いやち・連作障害のこと)だったり、凍害だったり、胴枯病だったりします。
(ちなみに忌地はコトバンクでは「いやじ」になってましたが、この辺では「いやち」です。)
忌地で樹が弱るから凍害を受けやすく。また胴枯病は凍害によって誘発されることが多いので、それぞれ関連しています。
さて、その要因のひとつである凍害をいかに防ぐかということです。
単純に寒いなら防寒すればよいので、だいたい幹にワラをまいて養生してやります。
ただ、凍害というのは厳冬期にはむしろ発生しづらく、晩秋の落葉期か、3月過ぎてやや暖かくなってきたころに起きやすいそうです。
暖かくなって、根っこが水分を吸い始め、樹液が流れ出したところでガツンと冷え込むと、やられてしまうんです。
だから、重要なのは温度変化をなるべく少なくする=日射による樹体の温度上昇を防ぐこと、だそうです。
幹を白く塗ることも対策のひとつです。
濃い色が熱を吸収しやすいのはご存知だと思います、色を白くすることで日差しがあたっても樹体の温度があまり上がらないようにするわけです。
その理屈はわかるのですが、営農指導でわからないのが、
「幹を白く塗って、その上にワラを5cmの厚さでまく」
というもの。
おかしいですよね?
ワラ撒いた時点でその内側が白いかどうかは関係ないんですから。
「幹を白く塗るもしくはワラをまく」
がどうみても正しいと思います。
でも毎年冬の前には同じ指導が入ります。
うーむ、ここまでしつこく言われると、何か合理的な理由があるのかと思えてきます。
ちなみに桃は比較的暖かい地域の作物ですが、冬の休眠から覚めるには(休眠打破という)、ある期間低温にあう必要があります。7.2℃以下の温度で800〜1000時間が目安だそうです。
もっとも長野県のような冬、寒い地域では問題なくクリアーできますね。