2021年01月30日

食料国産率というニューカマー

自給率について前回書きました。


実は昨年度から農水省はあらたな自給率の指標を加えて発表することにしました。


もちろん「実は」でもなんでもなく、前回のブログのときに調べるまで私が知らなかっただけで、ちゃんと公表されています。農業従事者として無知が恥ずかしいですね。


その名も「食料国産率」


従来の食料自給率は、家畜の飼料が輸入であったときは、その畜産物は国産としてカウントしていません。

「もし輸入が止まったら生産できないんだから、国産とは言えないでしょ。」

という理屈です。


食料国産率では、飼料が輸入か国産かにかかわらず、国内で生産された畜産物は国産扱いになります。


2019年度のカロリーベースの国産自給率は47%。食料自給率の38%対してだいぶ上がります。


日本の畜産業がいかに輸入飼料に頼っているかわかります。

まさにその自覚を促すのがこの数字の狙いのようです。


鶏卵は国産自給率96%。価格とともに優等生ですが、これが輸入飼料で育てられた分を除くとなんと12%にまで下落


これほど差があると、やはりひとつの指標で実態を把握するのは困難ですね。


これで自給率は、カロリーベースと生産額ベースがそれぞれ2種類ずつで計4種類になります。


行政が制度の仕組みや公表内容を複雑にするのは、「国民に分かりづらくすることで制度の不備を隠し、批判をそらすため」という見方が一般的です。年金制度もそういわれています。


はたしてこの自給率の多種類化は国民に対する誠意か、はたまた官僚の自己防衛か。


ただ数字が客観的なら、情報は多い方がよいと私はおもいます。


新型コロナの発表も、新規感染者、重傷者、死者だけでなく、PCR検査の検査数や陽性率も逐一公表してくれるとよいのですが、これは「由らしむべし、知らしむべからず」でしょうか。

posted by 農天気 at 18:00| Comment(0) | よもやま話
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