2020年01月18日

個人的には歓迎したいかも

前回、「肉」について触れましたが、折よく新聞で「人工肉」の記事を見つけました。


「知ってるよ、大豆を肉っぽく加工したやつでしょ?


と思ったあなた!


違うんです。


この記事で紹介されている「チキンナゲット」は、鶏の細胞を取り出し、培養液の中で増やして作り上げた「培養肉」です。


「培養肉なんて気味がわるい・・」

と思いますか。


おそらく日本以上にアメリカでは畜産による地球環境への影響や、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から、肉食を見直す動きが顕著です。


大量の家畜糞の処理、飼料穀物の生産に広大な農地を利用していること。

経済性を重視した非倫理的な動物飼育。


また最近では豚コレラや鳥インフルエンザによる家畜の大量殺処分。

中国では豚コレラのために500万頭(!)を超える豚が殺処分されたとか)


日本では「健康志向」から「脱肉食」が考えられることが多いようですが、あちらの国では「環境保護」「動物愛護」という意識が強いようです。


日本でも畜産は盛んですが、輸出大国のアメリカやオーストラリアに比べれば微々たるもの。

そのため畜産の抱える構造的問題が意識されづらいのではないのでしょうか。


それに飼料となる穀物の生産には広大な農地が必要とされますが、日本の畜産の飼料は輸入依存です。身近で作っていないから意識しない。

(ちなみにたとえ国産の肉であっても、飼料が輸入されていれば、その分は自給率から差し引かれます。肉の消費量を減らすだけで自給率は多少改善します。)


そのうえ安全性の確認など課題は多く、遺伝子組み換えや食品添加物などに過剰なほど抵抗感を示す日本で受け入れられるかどうか、注目です。


参考:信濃毎日新聞1月12日号




タグ:培養肉
posted by 農天気 at 22:10| Comment(0) | よもやま話

2020年01月10日

罪の意識について

日米貿易協定の締結による関税引き下げで、大手スーパーでアメリカ産牛肉の値下げが相次いでいるというネットニュースをチラ見したんです。大抵こういうニュースでは「国内畜産農家の受ける打撃」がどのくらいかというのが、セットで語られますね。


国民を小馬鹿にして本音を伝えない現政権が、日本農業をどうしようと考えているのかわかりませんし、正直勉強不足でついていけていません。


ただ、私はよく言われるように「国産の方が輸入品より安心・安全(この言葉大嫌いです)」とは単純には思っていません。


日本農業の現状ってけっこう酷いものがあるみたいです。

こういうと、「農薬の使い過ぎ」って話に持っていきたがる人も多いと思いますが、農薬についてはひとまず置いておいて、家畜の飼育についてです。


集中家畜飼養と呼ばれる、狭いスペースに家畜を押し込め、運動もできない劣悪な環境で育て、当然出る病気を薬で抑えて、という飼育方式は日本でも多いみたいです。


こういう方式はほとんどアメリカからの輸入でしょうから、アメリカ産の方がいい!なんていうつもりはもちろんありません。


「肉食文化」というもの自体についてもう少し考えたいなと思っています。


日本で有難がられる「霜降り牛」が栄養の偏った人工飼料を大量に与えられたメタボな牛で、それゆえに病気になったり酷い時は失明したりする・・なんて話はほんの一部で、いろんな惨状を聞きかじるにつれ、ほんとベジタリアンになろうかとちょっと思ったりするくらいです。動物性たんぱく質が不足するのが怖いのでなりませんが。


最近「ギルトフリー」なる言葉を知りました(流行にうとくて、もはやこれが早いのか遅いのかもわかりません)。

「食べても罪の意識を感じにくいもの」っていうことです。


最初これを聞いたとき、上記のような非倫理的な飼育方法で作られた肉などの話かと思っていたら、「糖質の少ないスイーツ」とかだって。

そっち?!」って感じです。


ギルトフリーの定義は幅広いのですが、日本では主にスイーツ関係で使われることが多いらしく、やっぱりというか、がっかりです。


私は畜産には素人ですので、実際の現場は知りませんし、畜産業を営んでいる方たちにはそれぞれの事情も言い分もあるはずだからうかつなことは言えませんが、日本の消費者は概して能天気に過ぎるような気がします。


posted by 農天気 at 22:13| Comment(0) | よもやま話

2020年01月03日

「りんご御殿」は存在するのか?

農業の世界では、「○○御殿」なる言葉があります。


人参御殿」とか「レタス御殿」とか。


要するに、ある作物でがっつり儲けて、立派な家を建てたということです。

特定の個人ではなく、その産地全体の景気が良いときにこんな呼び方をされるようです。


この○○はどうも野菜であることが多く、コメや果樹ではあまり聞きません。

コメはともかく、果樹なら御殿建てるほど稼ぐ農家がいても不思議ではなさそうですが、どうも野菜の方が荒稼ぎできる可能性は高いようです。

シャインマスカットのように周囲がうらやむほど稼げる作物もあるようですが、例外的です。


どうしてなのか、前から不思議でした。


植え付けてから結実まで時間がかかり、かつ同じ面積でも年々収量が変動していく果樹よりも、単年作物の野菜の方が計画的な数量で生産できるので、高値での契約栽培がやりやすいのか。


単純に年1作の果樹より、複数回収穫できる野菜の方が稼ぎやすいのか。


野菜の方が雇用が使いやすいので、広い面積をこなすことができるのか。


経営学者さんに分析してほしいです。

posted by 農天気 at 22:15| Comment(0) | よもやま話