2019年01月18日

観光農園の中止について



突然、観光農園の中止を決定したことをまずはお詫び申し上げます。


「来年も行くよ」とおっしゃっていただいたお客様も多くいらっしゃる中で、このような発表をすることは慚愧に耐えません。



また本来であれば、お客様に直接ご挨拶すべきところ、ホームページ上での周知になってしまった失礼を陳謝いたします。


観光農園の中止はまったくもってこちらの都合なので、何を言ってもお客様には言い訳になってしまいますが、


「納得のいく理由が聞きたい!」


とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますので、この場を借りてご説明いたします。




以前ブログの記事で書いたのですが、管理作業が追い付かないのが第一の理由です。


朝、収穫して、そのまま日中は園地でお客様をお迎えして、それと並行して発送業務と次に収穫する品種の管理作業・・・というのは厳しかった・・・


人を雇えばよいではないか!というご意見もあるかと思いますが、収穫は早朝(5時)から始まる上に、りんごと違って桃の収穫にはかなりの慣れが必要であることから、おいそれとバイトに任せるわけにはいきません。


日中バイトが工面できたとしても、私が園地にいない、というのはそもそも観光農園を始めた趣旨に反するので、結局はずっと畑に出ずっぱり・・ということです。


涼しい季節ならなんてことはないのですが、真夏であることがネックになりました。


開始当初行っていた「かぼちゃのトンネル」をやめて、昨年には開園期間も短くすることで、乗り越えようとしましたが、メリット・デメリットを天秤にかけると、やはりこのまま継続することは農業経営にマイナスと判断しました。


そして昨年の酷暑・・・・


暑さのピークが7月下旬〜8月上旬にかけてだったのでまだ救われましたが、これが開園期間のお盆前後にあたっていたら・・・


と思うとゾッとします。


冗談ではなく、私たちやお客様にとって危険なレベルです。


桃にとってもわずかな採り遅れが日焼けに結びつきます。



それに今だから言いますが(別に隠していたわけではありませんが)、試食用の桃は畑に置いて追熟させていました。


やわらかくなった状態では車での運搬ができないので、桃狩りする場所の近くに置いとかざるを得ないのです。


しっかりした建物の中に置いておけるのならよいのですが、屋外のテントの中が彼らの居場所でした。

「暑さで傷むのではないか・・」

「風でテントが飛ばされたら・・」

「アリの大群や熊に襲われたら・・」

「誰かに盗まれないだろうか・・」

とさまざまな不安要素を抱えながら、他に方法もなかったのです。


幸いここまで大過なく来ましたが、一度でもそういうことがあれば大変です。




どこへ行ってもチェーンの飲食店やレジャー施設が幅を利かせる中で、そういうのに負けない「ここだけの場所」を目指してやってきたのに、ここで撤退するのは忸怩たる思いもあります。


ただ、私はこの頃「つくること」に全力で取り組みたいと思うようになりました。


効率よく」「高品質のものを」「たくさんつくる」


農業とはつまるところこの3点をいかに追及するかだと思います。


最近は販売面での取り組みを強化するよう、各方面から農家に圧力がかけられていますが、

(「農家は作る方はプロだが、売る方がまるでダメだ。これからは生産に加えて加工と販売も手掛けていかなくてはいけない」・・云々。「作る方」もプロではない農家が増えている気もしますが)

それも、上記の3点が及第点に達していてこそです。


私は3点ともまだ不合格ですが、周囲を見ても特に最初の「効率よく」とは縁遠い農家がほとんどです。日本の農業の生産性の低さはよく言われることで、何とかしたいと気持ちは焦るばかりです。


販売より生産を!


今一度原点に立ち戻って精進したい・・そう考えています。


長々と釈明しましたが、皆様にはご理解いただきますようお願いします。


posted by 農天気 at 20:05| Comment(0) | 日記

2019年01月12日

味を決めるのは日照か?

このところコーヒーに興味が出て、「珈琲のすべてがわかる事典」という本を読みました。


コーヒーを淹れることを仕事にしている人はみんな「バリスタ」だと思っていたら、本来はエスプレッソを淹れる人の名称だと知った。と思ったら、バリスタ選手権には「ドリップ部門」や「サイフォン部門」もある・・?定義は曖昧なのかな?


バリスタの語源は「bar(バー)」で「ista(サービスする人)」らしいので、日本ではドリップで楽しむ人が多いけど、ヨーロッパではエスプレッソが主流らしくて、だから「バリスタ=エスプレッソを淹れる人」みたいになるのかもしれないけど、どんな抽出方法でもバリスタとは呼ばれるらしい。


無知をさらすけど、「サイフォン」という淹れ方があることも初めて知りました。


正月に実家に帰ったら、ミルは手回しと電動と両方あるし、ドリップセットはもちろん、フレンチプレスやサイフォンまであってびっくりしました。けっこう凝ってるのは知ってたけど、一式そろえているとは・・


そしてやはりインスタントとは段違いに美味しくて、あらためてレギュラーコーヒーを楽しみたいな、って思いました。


・・・って、本題はそこではなくて、「果物にとってはやっぱり日当たりがいい方が良いのか?」です。


というのもそのコーヒー本の中で、世界各地のコーヒー園では、「シェードツリー」と言って、あえてコーヒーの樹の日照を遮る目的で樹を植えるんだそうです。

最大生産国のブラジルではあまりやっていないようですが、そのかわりに「密植」によって過度の日照を避けているようです。


日射が強すぎて樹体がダメージを受けるというのは桃やりんごでもあるのですが、本には、「直射日光でコーヒーの葉温が上がり、光合成能力が低下することを防ぎます。」とあります。

「日が強すぎると光合成能力落ちるんや!」

無知な私はびっくらこいたわけです。




少し前に果樹研究会の「くだものニュース」の記事で、りんご園に遮光ネットを被せたところ、収量が増加したという海外の試験結果を見て、

「そういうこともあるんだ〜」と思っていたところでした。


そして、「光呼吸」。


私、知らなかったんですが、学校で習ったんですか?

真面目な生徒ではなかったと自負してはいますが、名称さえまったく覚えていないとはいかなることか?

受験は国・英・社の文系科目のみだったので、理系についてはメモリー容量を空けるためにデリートしたのかもしれません。


で、知らない人の為に引用すると、


「植物が光照射下において通常の呼吸と異なる方法で酸素を消費し二酸化炭素を生成することである。場合によっては(CO₂濃度が低い、高温等)といった条件下においては、光呼吸速度が光合成速度を上回る、つまり、光呼吸による二酸化炭素の放出量が光合成の二酸化炭素固定量を上回ることもある。」Wikipediaより)


なんと!


人間様のために二酸化炭素を吸って酸素を作りだしてくれるありがたい植物様が、その逆のことを実はしていたとは!


(夜、そういうことをしているのはもちろん知っていました)


つまり、あまり日が強く当たりすぎると、光合成能力が落ちるというのは事実なのですね。


もちろん、桃でもりんごでも、樹の内側の、あまり日がささない部分の果実は味は劣ります。


かといって、あまり日が強く当たりすぎるのも考えもので、全体に満遍なく、そこそこ光が当たるのが良い!ということなのでしょうか。


昨年の桃やりんごはとても美味しかったのですが、それは天気の良さだけではなく、乾燥による水分ストレスが大きかったのかもしれません。

posted by 農天気 at 00:00| Comment(0) | 日記

2019年01月05日

ネズミとの闘い

果樹の冬の大敵。


それはネズミ


降り積もった雪の下を這いまわり、若々しい根っこを貪る連中。


春、生気を失った樹をゆすってみると、ぐらぐらと揺れて、軽く引いただけで、すでにほぼなくなった根っことともに抜けてしまう・・・



苗木は12000円前後です。JAなどから半額助成が出ることが多いとは言っても、植えてすぐに樹が失われれば、当然痛い。


ネズミの害、いわゆる「チュー害」を減らすには、いくつかの対処法があります。


・捕殺


罠をしかけて直接ネズミを捕まえます。罠につけたエサに食いつくとバネ仕掛けのバーが敵をはさみこむトラップ(捕らえた時点で死亡)や、エサでおびき寄せて接着剤で動けなくする粘着シート、エサを求めて入ると扉が落ちて出られなくなるケージ方式などがあります。


他にも超音波方式などいろいろあるようですが、もっぱら家庭向けで、広い畑では実用的ではないので、使用経験ありません。


粘着シートはネズミが衰弱死するまで待つ必要がありますし、ケージの場合はそれ自体では死なないので、殺す必要があります。


逃げられない相手に手を下すのは現代人には一部の猟奇趣味人を除いて難しいので、私はもっぱら捕獲と同時に圧殺してしまう罠を使っていました。

「ニューラットキラー」というやつ(けっこう高い)。

こんなやつ→ https://item.rakuten.co.jp/plusys7022/utsugi-nrk-2/


捕まえたネズ公は、畑の隅に放っておくと、トンビや猫がさらってってくれます。

死んで血反吐はいてるネズミを罠から外すのが一苦労ですが、私は固い針金を曲げて作ったフックを使って外していました。


・毒殺

毒餌をネズミの穴(鼠穴)に放り込んで食べるのを待ちます。即効性のある殺鼠剤と、遅効性の剤があります。遅効性のものは、同じ巣穴に住むネズミが毒餌と気づかずに食べ続け、気づいたときには・・という悪魔的攻撃法です。


カラスとかが食べてしまうことがあるので、見えないようにフタをしておくのがポイント。

私は素焼きの植木鉢の4号または5号を半分に切ってフタにしています


(「植木鉢は糸鋸でも簡単に切れる」とネットに出ていましたが、ほとんど切れませんでした!3個も切ったら日が暮れます。ディスクグラインダーを持っているので、カッターだけ買ってきて、それで切りました。簡単!)


「ベイトステーション」と言って、ネズミが好むワラの束などを用意しておいてそこに毒餌を仕込み、ネズミをおびき寄せて始末する方法もあります。穴を掘られて実害が出る前に生息数を減らす方法です。



・忌避剤

主に土にネズミの嫌がる薬を混ぜ込んで、近寄らないようにする方法。


以前は「ネマモール」という剤を使っていましたが、登録が消えたらしく、もう買えなくなってしまったので、現在は「フジワン粒剤」を使っています。ただ、このふたつ、性質が違い、ネマモールは食べると殺チュー効果がある殺虫剤、フジワンは臭いの忌避作用だけの殺菌剤というくくりだそうです。ネマモールの方が物理的に叩けるので強そうですが、それゆえに登録の維持が難しかったのでしょうか。


水に溶かして散布する薬剤もありますが、まだ使ったことはありません。粒剤型の忌避剤は土に混ぜることが推奨されているので、すでに草が生えて土がかき混ぜられない場合は使いづらいので、その場合はこちらの世話になるかもしれません。


現場では複数の方法を組み合わせて被害の低減を狙います。ラットキラーによる捕殺は効率が悪いので止めました。ひとつの穴にひとつしか罠がしかけられないということは、一匹づつしか始末できないということで、それでは穴の中にいる家族を全滅させるのに時間がかかりすぎます。


退治したネズミを確認できるので、「ざまあみろコノヤロー」的満足感は得られますが、自己満足では樹は守れません。

(ちなみにネズたちは、仲間が何匹が殺されて、身の危険を感じると、穴を埋めて他へ引っ越していきます)


私は鼠穴がまだ見られないときは忌避剤(フジワン)、穴を掘られたときは殺鼠剤のヤソジオンなどを放り込んでいます。


冬の積雪の前には藁を積んでベイトステーションを作っています。


りんごの高密植栽培に使われるM9台木はネズミの好物で、加えて樹自体がコンパクトなので、ネズミの被害が出やすいです。いかに守るかは大きな課題です。


JM系台木もネズミに弱いそうですが、私の印象ではJMはネズミに好まれますが、JM2はそうでもないようです(ただしJM2は凍害をうけやすいので要注意!)。




posted by 農天気 at 19:18| Comment(0) | 日記