2020年11月21日

負の遺産

新規の直売所に加えて、そこに隣接する農産物加工所多世代交流施設子育てセンター、そして統合されて廃校となった二つの小学校のリノベーション

バブルの再来かと思うほどの建設ラッシュです。


多世代交流施設については、これまであった社会福祉センターが耐震基準を満たせず取り壊されることになったため止むをえませんんが、他については必要性について疑問符がつきます。


地方の行政には、「何もやらなければ寂れていくばかり」という焦りがあるのでしょうか。たとえ財政から一方的に支出するばかりの企画でも「それで地元が(一時的にでも)盛り上がればいい」と考えているように思えます。


「地方創生」「地方活性化」の失敗例を分析した本に書いてある「必敗の法則」にほぼほぼ当てはまっていて逆に笑えます。


補助金を活用しても町からも多額の出費があり、なによりこの後は維持費が重くのしかかってくるでしょう。「せっかく作ったんだから活用しないともったいない」と行政の大盤振る舞いでさまざまなイベントをしかけていくのは明白ですし、それがさらに財政を圧迫する・・という負の循環が始まります。


長年頭痛の種だったスキー場の民間売却が決まり、ようやく一息つけたと思ったら、好き好んで新たな「墓標」候補を乱立させています。


「住民のため」「子どものため」というお題目を唱えても、負の遺産を大量に将来世代に残しては本末転倒です。


posted by 農天気 at 00:00| Comment(0) | よもやま話

2020年11月14日

バブル再び・・?

先週、更新忘れました。すみません。


りんごの発送作業が夜なべ仕事なので、軽めに更新していきます。



わが飯綱町ではこの春、新しい直売所がオープンしました。民間人が作ったのではなくて、町が資金を出して建築し、地元の振興公社が運営しています。


もともとこの町には4つの直売所がありました(小さいものも含めればもっとありますが)。

ひとつは個人経営、ひとつは生産者が資金を出し合って建設し、共同で運営しているもの、もう2つは町が作り、別の団体が指定管理しています。


そのうちの生産者が共同運営していた直売所を取り壊して、ピカピカの建物を建てたのです。


その話が持ち上がった当初、役場の職員と外部のコンサルタント?が各直売所をまわって意見を聴取していました。私はわざわざ新しく作る理由がわからず、反対の立場だったのですが、結局腑に落ちる説明もないままプロジェクトはスタートしました。


その前後、町の「6次産業化推進協議会」なる会議の委員になぜか選ばれて参加していましたが、そこで悟ったことがあります。


町が委員を集めて会議をしたり、下々の町民に意見を聞いたりするのは、ほぼ役場のアリバイ作り、つまり「私たちは皆さんの意見をちゃんと聴きましたよ」という体裁を取り繕うためのもので、結論は先にありきなのだな、ということです。


それでなくても冬・春は十分な農産物が集まらず、運営に苦慮しているのに、さらに大きな直売所を作ってどうするのか。

「直売所がトラックを出して生産者を回り、出品物を集める。だからみんなは手間なく出品できるし、商品も集まる」ようなことを言っていましたが、そんなことが可能なのかはなはだ疑問でした。実行はされていないようです。


しかしこれはまだ序の口、この町ではバブルを彷彿とさせるような建設ラッシュが控えていたのでした・・・



posted by 農天気 at 22:41| Comment(0) | よもやま話

2020年10月31日

葉とらずPART2

「葉とらずりんご」の続きです。


シナノゴールドとか王林などの非赤系のりんごは葉摘みや玉回しをしないのが普通ですが、その場合、陽光があたっている側の方が、反対側より美味しいように思います。糖度を測ったことはことはありませんけど(今度測ってみますね)。

果実面へ直接陽があたったほうが甘くなるのかもしれません。


袋かけしたりんごは(桃も)糖度がやや下がります。これも果実面が陽光を浴びた方が糖度が上がることを示しているのではないでしょうか。


前述の現代農業の記事の中で、葉とらず栽培に取り組むある生産者は、「葉を摘まない=味がよくなるではないことも認識しなければならない」と語っています。


葉とらずりんごと葉摘みりんごの糖度を比較した試験結果を見たことがあり、そこでは葉とらずの方が糖度が高いという結果でした。ただ、この手の試験はこれひとつしか聞いたことがありません。


たしかに早すぎる葉摘みは影響があるでしょう。青森県では11月収穫のふじの葉摘みを9月の頭頃から始める例もあるそうですが(そうしないと間に合わない)、それと比較すれば葉とらずのほうがたしかに美味しいかもしれません。

青森での試験では、葉摘みが9月中旬以前だと、顕著に糖度が下がり、9月下旬以後の場合は葉摘み時期による糖度の差はなかったそうです。


となると、葉摘みはある程度遅らせて、光合成で果実に炭水化物を蓄えてから、陽光に当ててやることで炭水化物が糖に変わって甘くなる・・んじゃないかと勝手に考えております。


ただ、まだ樹が活動している時期に葉を減らしすぎれば、樹体が弱り、翌年の生育に影響する可能性もあります。


個人的に思うことは、やはり前回最初に書いた「日本のりんごは見た目もよくてナンボ」ということです。

「安く大量に」では欧米や中国には太刀打ちできません。規模もしくは人件費が違いすぎます。「見た目より味でしょ」(本当に味がよいかはさておき)と言っていれば日本のりんごの優位性(外観に優れた高級品)は失われていくように思います。


それに葉摘みをしないということは作業工程がひとつ減るということです。もちろん最大の主眼は作業の省力化にあるのであたりまえなのですが、消費者サイドから「手間省いてるんだからその分安く」という圧力がかかる可能性はあります。もし葉摘みをすることでりんご1個の値段が5円上がるなら、やった方がメリットはあります。そこまでにかかる労力は同じですから、最後に手を抜くことで価格を下げることはもったいない。


そう考えています。

posted by 農天気 at 21:44| Comment(0) | よもやま話