2019年12月28日

意外な遺伝子組み換えの活躍

前回紹介した『誰も農業を知らない』を参照しながら、「遺伝子組み換え」について考えてみました。


著者は遺伝子組み換え作物を肯定しています。


著者の考察によれば、日本人が遺伝子組み換え作物に抵抗を強く感じるのは、日本で遺伝子組み換えが知られるようになった初期に話題になった作物が、除草剤耐性や殺虫能力を持ったものであったことが大きい。


「虫が食べたら死ぬような作物が安全なわけがない!」

「雑草を枯らす除草剤をかけても枯れないトウモロコシは怖い!そもそも作物にも除草剤が残留してるじゃないか!」


これが最初に紹介されたのが「完熟で収穫しても型崩れしない美味しいトマト」だったり、「栄養価の極めて高い野菜」だったりしたら、印象はだいぶ違っていたのではないか?と考えています。


私たちは食物以外でも既に遺伝子組み換え作物の恩恵に預かっています。


私も知りませんでしたが、糖尿病の薬であるインシュリンは遺伝子組み換えによって大量生産されているそうです。従来は豚のインシュリンをとって半合成していたものが、遺伝子組み換えによって大腸菌から生成できるようになったことで、大量の供給ができるようになり、当然コストも大きく下がりました。

抗がん剤・抗ウイルス剤として用いられるインターフェロンという物質も同様です。


数えきれないほど大勢の人がこの技術に救われてきたことは容易に想像できます。


その理由のひとつは「メディアが報じない」からでしょうか。


「遺伝子組み換え怖い」で報道姿勢を決めてしまっているから「不都合な事実」にはやっぱりフタをするんですかね。

「オスプレイ嫌い」なマスコミが、これが海外の被災地で大活躍したことを報じないのと同じです。


一方的な情報にさらされている消費者に冷静な判断ができないのは仕方がありません。


次回は「遺伝子組み換え作物ほど得体の知れてる作物はない」?




posted by 農天気 at 20:58| Comment(0) | よもやま話

2019年12月21日

「誰も農業を知らない」?

珍しく書籍の紹介です。

有坪民雄著『誰も農業を知らない』


「奇跡のリンゴ」だとか「奇跡の農園」だとか「ギャル農業」だとか「年商1億の農家」だとか刺激的なタイトル及び内容の本が好みの方には「つまらない」かもしれませんが、逆にこれらの本に違和感を感じてしまう方は読んでみると、その違和感の正体がわかるかもしれません。


IoT(モノとインターネットをつなぐ)や遺伝子組み換えに期待過剰なのが玉にキズですが、現状分析は的確ではないかと思います。


他の農業関係の書籍には見られない特徴がいくつかあります。

例えば「農水省は無能ではなく、むしろかなり有能な官庁」と語っている点。


とかく農協や農水省は批判の対象にされやすい。

こいつら批判しとけばとりあえず憂さ晴らしにはなる・・

あるいは少しは自分が利口に見える・・


時の政権与党や官僚、NHKなんかもそんな対象になりやすいですね。


農業やってる友人が「政治が悪いよな」とボヤいていましたが、

どこがどのように悪いのかを問うてもまともな答えは返ってこないと思います。


しかしながらこの本では、具体例を挙げて、農水省を擁護しています。


他にも他の巷にあふれる農業関係言論へのアンチを露骨に示した内容が満載。

見出しだけ見ても

・いま、農薬は安全である

・無知な人ほど言いたがる「農業にビジネス感覚を」

・夜逃げする無農薬農家

・実は農家が変化するスピードは速い

・農薬を否定する人は農業の適性がない

・遺伝子組み換え作物の栽培を実現せよ

・辺境過疎地は選別せざるをえない


・・・などなど。


もろ手を挙げて大賛成!という内容ばかりではありませんが、日頃、無知かつ無責任な農業論に辟易して、溜まった留飲を下げるにはよい薬でした。


来週はもう少し掘り下げてみたいと思います。


posted by 農天気 at 21:38| Comment(0) | よもやま話

2019年12月14日

機能性表示りんご

今朝の新聞の記事より


「長野県松本市と松本ハイランド農協は、同農協管内で収穫したりんごの「ふじ」について、機能性表示食品の届出が消費者庁に受理された。」


生鮮食品でも機能性表示食品になれるというのは知りませんでした。


「機能性表示食品」の制度ができたのは2015年と最近のこと。生鮮果実一号はウンシュウミカンだそうで、りんごは二番目。


この松本の届出受理はりんごでは全国で3例目


調べてみると、先陣を切ったのはJAつがる弘前(やはり!)、2例目はわかりませんでした。

ただ、つがる弘前の例を見て松本が二匹目のどじょうを狙ったわけではなく、松本もつがる弘前が受理される以前から申請は試みていたそうで、「先を越された」形になったようです。


ちなみに長野県内では生鮮品の機能性表示食品は3例目。


では他の2品は・・・?




ジャカジャン!


ナガノパープル(ぶどう)」と「長野県JA産えのきだけ」です。

こちらはぶどう・きのこ共に全国初。


「日本一のリンゴの町」を標榜するわれらが飯綱町ですが、出遅れましたね。


おっと、大事なところを落としていました。

りんごの機能はプロシアニジンによる内臓脂肪を減らす効果だそうです。

小さいりんごの方が多いらしい。


生鮮品だと固体によって栄養量にばらつきがあるため、産地・大きさ等を絞ることで消費者庁を納得させているようです。

posted by 農天気 at 21:24| Comment(0) | よもやま話