2019年08月03日

モンサントが大変!

知り合いのfacebookを久しぶりに見てみたら、おもしろいニュースがシェアされていました。


先日も少し触れた世界最強の除草剤ラウンドアップの販売元モンサントが大変なことになっているというのです。


ラウンドアップの成分グリホサートで癌になったとして起こされた裁判でモンサントが敗訴、原告の夫婦に2200億円の賠償を命じたとのこと。


アメリカでは「一般人VS大企業」の裁判で、日本では考えられないような巨額の賠償金が企業側に課されることがありますが、いやはや、さすがです。


昨年、モンサントを買収したバイエル社の株価も暴落、大規模リストラに踏み切ったらしいです。


そして同様の訴訟が1万2000件起こされているとか。

そりゃ2200億もらえるとなれば、消費者も弁護士も猫も杓子も訴え出たくなるでしょう。

訴訟大国アメリカの面目躍如です。


以前、私はモンサントは除草剤耐性遺伝子組み換え作物で種子支配を進めていて、そのため好きではないと言いましたが、今回は遺伝子組み換えではなく主力農薬のラウンドアップがやり玉です。


モンサントが、ラウンドアップの成分「グリホサート」に発がん性があることを知りながら、それを隠していたということです。


しかもネオニコチノイド同様、人の神経を侵すので、発達障害の原因になるとか。


こんなこと言われたら、ナイーブで、科学的根拠より感情的不安が優先される日本人はイチコロです。

もちろん、本当にクロなのであれば使用禁止も当然検討すべきですが、信頼できる根拠もなくグリホサートを廃止に追い込めば、魔女狩りのごとく、次から次へとターゲットは広がっていくでしょう。それが果たして日本の食料の安定供給にプラスになるかは疑問です。


今回の投稿元は国会議員らしいので、ぜひ国レベルで研究して冷静な判断をお願いしたいところです。

欧米ではこうなってる、ではなく、日本が独自に安全性を検証・判断するべきだと思います。


posted by 農天気 at 20:00| Comment(0) | よもやま話

2019年07月27日

袋かけは金食い虫!

長野県ではりんごの袋かけはほぼゼロ。

つまりほぼサンふじです。


青森ではまだけっこう掛けているらしい。

目的は着色と日持ちの向上。


なぜ長野ではやらないのか?

私が思うに、長野は昼夜の寒暖差が大きいのでりんごが色づきやすいから、袋かけの必要がない。

また長野県は「晩生種」のふじでも、農協の場合、短期決戦でけっこう年内に売ってしまう。青森のように春に売るりんごを大量にキープしないからそれほど日持ちにこだわらない。

というところではないかと推測しています。


りんごの袋かけ事情には詳しくないので、今回は桃の話。


ベテラン農家に一体一日に何枚袋を掛けられるのか聞いたら、

5000枚」という答えが返ってきました。


その人は御年80オーバーでも私の倍以上の桃とりんごをこなす、恐ろしく仕事の手の早い人なので、参考にするにはムリがあり、実際、別のベテランおばちゃんに聞いたら、

「そんなの早朝から夜までかけ続けなきゃできない」

と言ってました。


一日5000枚かけるなら、10時間働くとしても一時間500枚。


私は今のところ全力スピードでかけても350枚/時間です。


早い人は左手に袋の束を持ち、そこから袋を抜き取って、かけている人が多いです。

これだと腕を上げた状態で次々袋を掛けられるのでその分早いのが理屈です。


私もやってみましたが、狭いところには、袋を持った左手が入れづらく、またちょっとしたはずみで落としてしまい、結局時間がかかるので、今は一枚ずつエプロンのポケットから出しています。


手に持ってやった方が早そうですが、実際はそんな変わらないのではないかとも思います。

いずれにしても一時間500枚というペースは私にとっては未知の領域で、しかもその集中力を朝から夕方まで持続できる気は全くしません。


そしてバイトさんの場合、

最初は一時間100枚くらい、要領のいい人だとわりと早い段階で200枚を超えますが、300超えはけっこう厳しいようです。


仮に一時間100枚だったら、時給830円(長野県のほぼ最低賃金)で、一枚当たり8.3円。袋掛けだけで桃一個あたりの原価が8.3円も上がるのです。


これは厳しい!


もし時給が1500円なら、一枚あたり15円(!!)

時間200枚でも7.5円です。


もちろん袋自体もタダではなく一枚1.8円くらいします。

くわえて袋をはがす作業もあり、これが一時間に1200枚はがしたとすると約1.25円。


時間200枚かけて、時給を1000円とすると、一枚(桃一個)あたり除袋含め約8円です


前述のベテラン農家は、「一日3000枚バイトにかけてもらって始めてペイできる」と言ってましたが、正直私でも厳しい・・・

3000枚かけてくれたらとても助かるけど、自分にできないことをバイトに期待できるわけありません。


生産性向上のためには、

1.袋をかけやすい樹を作る。掛けやすい位置に実を生らす。

2.桃が小さいうちに袋をかける(大きいとそれだけ袋に入れづらい)。

3.そもそも袋をかけなくてよい品種を増やす。


など考えられますが、3は品質の問題もあり、限界があります。

1と2を追及していく必要があります。


口で言うのは簡単・・・

タグ: 時間 袋かけ
posted by 農天気 at 21:52| Comment(0) | よもやま話

2019年07月20日

最低賃金と私たち

参院選が近いです(あれ、もう明日だ)。


公約で目立つのが「最低賃金の引上げ」。


自民が1,000円、立民が1,300円、共産が1,500円。


まずこの数字を見たときに思ったのが、「金払うのはうちらなのに勝手に公約にするんじゃねえよ!


ということです。


立民は「中小企業の支援を拡充する」と言ってますが、いったいどんな具体的な施策があるのかよくわからない。そもそも(旧)民主党のかけ声倒れは得意技ですからね。


共産は例によって「大企業への行き過ぎた減税をやめることで財源を確保できる」と言いますが、企業の業績が悪化した場合はどうするのでしょうか。財源がなくなり、高い時給だけが残るのではないか。


当然のことながら、世の中には賃金を払う側より、受け取る側の方が圧倒的に多い。その票田の機嫌をとるためなら、中小企業やわれわれ零細農家は結局どうでもいいのではないか、どうも釈然としません。


・・・と思っていたのですが、あるネットニュースの記事を見て考えが少し変わりました。


最低賃金アップで『生産性が向上する』仕組み

デービットアトキンソンという人(伝説のアナリストらしい)の寄稿です。


最低賃金を強制的に上げれば、経営者は生産性向上に努力せざるを得ない。それによって日本の経済は上向き、増える一方の社会保障費もまかなっていけると、そういう話です。


日本の労働生産性が先進国最低レベルだというのは、ようやく日本人が自覚し始めているところで、中でも農業の、とくに果樹産業なんてのは、かなり足を引っ張ってる劣等生です。


ここは被害者意識を捨てて、必死になって生産性を向上させて、もっと高い時給を払える農業経営にする・・そう考えるべきなのかもしれません。

高品質多収の生産技術を習得する、作業のしやすい園地にする、アルバイトに適切な指導をする、生産と販売のバランスを上手くとる・・等々、できることはいろいろあるはずです。


扶養に入っている奥様方は、収入を扶養の範囲に抑えるため、時給が上がれば働く時間を減らすので、労働力不足が改善されない、という考えもありますが、「仕事時間を減らしても、仕事が回っていく仕組みづくり」をするべきなのでしょう。余暇が増えれば使うお金も増え、出産、育児にまわせる時間も増える・・


ただ、いくらにするべきかと言うと、やはり「仕事のできる人」「仕事にたいして意欲のある人」とそうでない人の給与に差をつける余地は必要と思うので、あまり高くするのは好ましくない。「やる気があってがんばっても、給料は一緒」では優秀な人のモチベーションが下がって、これまた生産性低下は必至ですから。


それにしても、政党に押し付けられるのはやっぱりシャクですね。

自分たちの無策の責任をこちらに転嫁しているようにどうも思えてしまいます。


先だって、政府は携帯料金が高いと大手各社に難癖をつけて値下げを強要しましたが、格安スマホが普及した今、それほど高いとは思えません。いろいろやるから高くなるのであって、通話・メール+ほどほどのネットならむしろ一昔前のガラケーよりコスパは遥かに高いでしょう。携帯各社の企業努力の賜物です。


3のビールへの課税もそうですし、企業が努力して、その成果から国がむしり取るのが

常態化しているような気がします。


政治ではなく経営側ががんばらなくちゃどうにもならないのが日本なのかも。


posted by 農天気 at 18:59| Comment(0) | よもやま話