2019年08月10日

桃の追熟について

桃は追熟します。


収穫したときはガチガチです。


私も就農当初は驚きました。


「こんなん桃じゃねぇ!!」


フルーツセンターの選果場で手伝いをしたことがありますが、そこで納得。


なんせ桃が次から次へとゴロゴロドスン。ゴロゴロゴゴン

箱詰めが追い付かなくて、転がってきた桃がひしめき合っているんですから。


「このくらいの硬さで採らないといけないんだ・・」


と頭ではわかっていても、実際に収穫となると、


「いくら何でも青すぎる・・」

「これで本当に甘くなるのか・・」


などといろいろ考えてなかなか思い切れません。

結果、熟しすぎて通常出荷できない(「過熟」と我々は呼びます)桃がわんさか・・・


さて、今回は追熟の話です。


ガチガチで収穫した桃も、常温保存でやがてやわらかくなり、糖度も上昇。


ただ、どのくらいでやわらかくなるかは、収穫状態や品種によって異なります。


あくまで目安ですが、適期収穫してから皮をむくだけで果汁がしたたるくらいジュクジュクになるまでの日数は、白鳳で2〜4日、あかつきで〜8日、なつっこで3〜6日、川中島白桃も3〜6日。


う〜む、幅がありすぎますが、白鳳は早く、あかつきはゆっくり、なつっこや川白はその間、というのがイメージでしょうか。

私は食味が安定しているあかつきが好きなのですが、経験上、あかつきはやわらかくなるまでに要する時間が固体によってだいぶ違うようです。


桃狩りをやっていたとき、お客様に提供する試食桃は、事前に収穫して追熟させ、やわらかくなったタイミングで出していました。


硬い桃が好きな人、じゅくじゅくの桃が好きな人、好みは色々ですが、やはり圧倒的多数のお客様は

「これこれ〜!この果汁がボタボタ落ちて果肉が口の中でとろけるのが桃だぜ!」

と感じていらっしゃるので、なるべくやわらかくして出そうとしていましたが、


あかつきはこれが読めない!

3日でやわやわになるものもあれば、一週間経ってもまだ歯ごたえが残っているものもある。

収穫時の熟度が違うのはもちろんあるでしょうが、どうもそればかりではないようで。


送ったお客様からも、「いつまで経ってもかたい・・」というご不興をいただくこともあり、なかなか悩ましい桃です。


posted by 農天気 at 21:29| Comment(0) | よもやま話

2019年08月03日

モンサントが大変!

知り合いのfacebookを久しぶりに見てみたら、おもしろいニュースがシェアされていました。


先日も少し触れた世界最強の除草剤ラウンドアップの販売元モンサントが大変なことになっているというのです。


ラウンドアップの成分グリホサートで癌になったとして起こされた裁判でモンサントが敗訴、原告の夫婦に2200億円の賠償を命じたとのこと。


アメリカでは「一般人VS大企業」の裁判で、日本では考えられないような巨額の賠償金が企業側に課されることがありますが、いやはや、さすがです。


昨年、モンサントを買収したバイエル社の株価も暴落、大規模リストラに踏み切ったらしいです。


そして同様の訴訟が1万2000件起こされているとか。

そりゃ2200億もらえるとなれば、消費者も弁護士も猫も杓子も訴え出たくなるでしょう。

訴訟大国アメリカの面目躍如です。


以前、私はモンサントは除草剤耐性遺伝子組み換え作物で種子支配を進めていて、そのため好きではないと言いましたが、今回は遺伝子組み換えではなく主力農薬のラウンドアップがやり玉です。


モンサントが、ラウンドアップの成分「グリホサート」に発がん性があることを知りながら、それを隠していたということです。


しかもネオニコチノイド同様、人の神経を侵すので、発達障害の原因になるとか。


こんなこと言われたら、ナイーブで、科学的根拠より感情的不安が優先される日本人はイチコロです。

もちろん、本当にクロなのであれば使用禁止も当然検討すべきですが、信頼できる根拠もなくグリホサートを廃止に追い込めば、魔女狩りのごとく、次から次へとターゲットは広がっていくでしょう。それが果たして日本の食料の安定供給にプラスになるかは疑問です。


今回の投稿元は国会議員らしいので、ぜひ国レベルで研究して冷静な判断をお願いしたいところです。

欧米ではこうなってる、ではなく、日本が独自に安全性を検証・判断するべきだと思います。


posted by 農天気 at 20:00| Comment(0) | よもやま話

2019年07月27日

袋かけは金食い虫!

長野県ではりんごの袋かけはほぼゼロ。

つまりほぼサンふじです。


青森ではまだけっこう掛けているらしい。

目的は着色と日持ちの向上。


なぜ長野ではやらないのか?

私が思うに、長野は昼夜の寒暖差が大きいのでりんごが色づきやすいから、袋かけの必要がない。

また長野県は「晩生種」のふじでも、農協の場合、短期決戦でけっこう年内に売ってしまう。青森のように春に売るりんごを大量にキープしないからそれほど日持ちにこだわらない。

というところではないかと推測しています。


りんごの袋かけ事情には詳しくないので、今回は桃の話。


ベテラン農家に一体一日に何枚袋を掛けられるのか聞いたら、

5000枚」という答えが返ってきました。


その人は御年80オーバーでも私の倍以上の桃とりんごをこなす、恐ろしく仕事の手の早い人なので、参考にするにはムリがあり、実際、別のベテランおばちゃんに聞いたら、

「そんなの早朝から夜までかけ続けなきゃできない」

と言ってました。


一日5000枚かけるなら、10時間働くとしても一時間500枚。


私は今のところ全力スピードでかけても350枚/時間です。


早い人は左手に袋の束を持ち、そこから袋を抜き取って、かけている人が多いです。

これだと腕を上げた状態で次々袋を掛けられるのでその分早いのが理屈です。


私もやってみましたが、狭いところには、袋を持った左手が入れづらく、またちょっとしたはずみで落としてしまい、結局時間がかかるので、今は一枚ずつエプロンのポケットから出しています。


手に持ってやった方が早そうですが、実際はそんな変わらないのではないかとも思います。

いずれにしても一時間500枚というペースは私にとっては未知の領域で、しかもその集中力を朝から夕方まで持続できる気は全くしません。


そしてバイトさんの場合、

最初は一時間100枚くらい、要領のいい人だとわりと早い段階で200枚を超えますが、300超えはけっこう厳しいようです。


仮に一時間100枚だったら、時給830円(長野県のほぼ最低賃金)で、一枚当たり8.3円。袋掛けだけで桃一個あたりの原価が8.3円も上がるのです。


これは厳しい!


もし時給が1500円なら、一枚あたり15円(!!)

時間200枚でも7.5円です。


もちろん袋自体もタダではなく一枚1.8円くらいします。

くわえて袋をはがす作業もあり、これが一時間に1200枚はがしたとすると約1.25円。


時間200枚かけて、時給を1000円とすると、一枚(桃一個)あたり除袋含め約8円です


前述のベテラン農家は、「一日3000枚バイトにかけてもらって始めてペイできる」と言ってましたが、正直私でも厳しい・・・

3000枚かけてくれたらとても助かるけど、自分にできないことをバイトに期待できるわけありません。


生産性向上のためには、

1.袋をかけやすい樹を作る。掛けやすい位置に実を生らす。

2.桃が小さいうちに袋をかける(大きいとそれだけ袋に入れづらい)。

3.そもそも袋をかけなくてよい品種を増やす。


など考えられますが、3は品質の問題もあり、限界があります。

1と2を追及していく必要があります。


口で言うのは簡単・・・

タグ: 時間 袋かけ
posted by 農天気 at 21:52| Comment(0) | よもやま話