2019年06月01日

農薬の安全性について考える

グリホサートに限らずですが、農薬の安全性について考えるときに、おさえておきたいことがあります。


@リスクとベネフィットをはかりにかけて使用の是非を考える。


A動物を使用した試験では、基本的に何らかの症状が出るまで投与を続けるので、症状が出たこと=その成分が危険・・・・ではない。


B農薬にもっとも被ばくしているのはまず、研究開発に関わる人たち、次に散布している農家であり、その量は残留農薬からのみ摂取している一般消費者のおそらく数十倍〜数百倍と考えられる。だからもし健康被害があるのなら、まっ先にこういう立場の人たちに出るはず。


C発がん性が疑われるという表現がよくなされるが、私たちが普段口にしている野菜等にも多少の違いはあれ発がん性物質は含まれている。


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@について

 風邪薬であれ何であれ、クスリと名がつくものは常に副作用などのリスクを抱えています。それでも使用することによる利益が大きいからみんな使っているのです。

 よく引き合いに出されるのが自動車です。自動車による事故死者数は毎年数千人。対して農薬による死者数は一桁です(自他殺除く。残留農薬摂取によるものは数値上はゼロ)。 

 「農薬が原因とはっきりしなくても、見えない健康被害はあるだろう」

という意見も当然あります。急性毒性の判定は容易でも、慢性毒性の証明は難しいのが実情です。農薬に対する不安が払しょくできないのはこの点でしょう。


Aについて

 よく、「動物実験ではこんな健康被害が出た」という批判記事を見かけますが、実験では、何らかの症状が出るまで投与を続けるそうです。症状が出ても、そこまでの投与量が通常ありえない量であれば問題とはされない。食塩でさえ、大量に摂取すれば人は死んでしまう、というのも例えとしてよく出されます。


Bについて

 個人的にあまり指摘されないな、と思うのがこの点です。残留農薬の検査ではほとんどが検出限界以下。仮に検出されても=健康リスクがあるわけではなく、定められた基準値を超えなければ問題はないとされています。

 一方で、散布する側にとっては、「吸い込まない」という前提で考えられているのではないかと思います。防護服(単に雨具)に身を包み、マスクをしていても、まったく吸い込まないということはありえず、その吸収量が残留農薬の量とは桁違いだということは誰でも想像できると思います。

 となると、都会より農村地帯の方が、農薬の健康被害ははるかに多く出ているはずですが、統計上有意な差は認められていないのではないでしょうか。

 農薬の空中散布で気分が悪くなった・・というニュースはたまに出てきますが、これは急性毒性なのでまた別の問題です。


Cについて

ガンの原因特定は難しく、それゆえに得体のしれない恐怖感を人に与えるのでしょう。「発がん性がある!(疑いがある!)」と言われたらそれを完全に否定することは難しい。ある意味、健康被害を訴えるにはとても便利なのです。

 しかし、@でも触れたように、世の中にリスクゼロというものは皆無で、大切なのはそのリスクが許容範囲であるかどうかです。普段私たちが口にしている食品等にも微量ながら発がん性物質は含まれていると言われています。そしてその量は残留農薬のそれより桁がふたつくらい違う(多い)とも。

 毒となる要素がある程度含まれていても、それを解毒しながら人は生きています。


 私は農薬を使用する立場ですが、多くの農薬否定論者と同じように専門家ではありません。@、A、Cについては書籍やサイトからの受けうりですし、Bについても数値上の根拠を明示できません。ただ、いろいろな見方があるということは知ってほしいと思います。


・・また脱線気味・・・


posted by 農天気 at 21:06| Comment(0) | よもやま話

2019年05月25日

グリホサートその1

私は除草剤の使用経験がそれほどあるわけではなく、まして稲作をやったことがないので、水田における主として土壌処理型の除草剤についてはほとんどわかりません。


いつものように詳しいことは他の専門サイトに譲って・・・


とりあえず、ウチでグリホをどう使っているかを少々・・

現場を知らないと机上の空論になってしまうので。


簡単に説明すると、グリホサート系農薬の代表格のラウンドアップは茎葉処理型(葉や茎にかけることで効果を発揮する)で根まで枯らすタイプ


この「根まで枯らす」というのがポイントで、地上部だけしか枯れないと、再生が早い。全部枯れてしまえば、次は種子から生えてくるので、それだけ時間が稼げるわけです。


ただ、根まで成分が浸透移行するため、地下部で他の植物の根部と絡み合っていると、そっちまで影響が出て、枯れないまでも衰弱を招きます。


りんごなどの果樹の株もとに使いづらいのはそのためです。

「使いづらい」と言いましたが、樹が大きい場合は、たとえ根っこが除草成分を吸収しても、樹勢にはたいして影響しないので使うことはできます。

ただ、この場合はやはり大事をとって、地上部しか枯れないバスタなどを使うことが多いようです(バスタもある程度根っこも枯れるようですが)。


グリホサートは特許が切れているので、ジェネリック除草剤が多く出回っていますが、いくつか使用した実感では、やはり本家がもっとも安定した効果が期待できるようです。


私もグリホサート系除草剤には世話になっています。

主として

@ギシギシ(ウマズイコ)退治」

Aりんごの切り株にとどめをさす」

B「タラの木など根が広がって繁茂するタイプの樹木の退治」

に使っています。


@・・ギシギシは根っこが深く頑丈で抜きづらい(ほとんど不可能)なうえ、掘り起こしても、わずかに残っていれば再生してきます。なので、根まで枯らす除草剤に頼っています。年3回、ピンポイント攻撃を繰り返せば、目に見えて翌年は発生が減ります。


A・・りんごの切り株は、とくにまだ元気な樹を伐ったケースでは、そこから枝が再度生えてきます。枝葉が茂れば、そこは病害虫の巣窟になるので、消毒もしなくてはならず、かといってイチイチ切って除くのも難儀です。切り株にドリルでいくつか穴を開け、ラウンドアップを原液で注入すると、太い切り株も枯らすことができます。


B・・食べれば美味しい春の味覚「タラの芽」も樹自体はとても厄介。繁殖力が強いうえに野生種はトゲが鋭い!!美味しいからと欲かいて広がるに任せていると大変なことになります。根っこから広がるので、これも根まで枯らす必要があります。


以上のように現時点では、「再生までの時間を稼ぐ」ためではなく、「根まで枯らす必要性」にかられて利用しています。


次回はグリホが安全かどうかについて。

posted by 農天気 at 22:52| Comment(0) | よもやま話

2019年05月18日

蜂は守れるか?

chang.org」というキャンペーンサイトがあります。


会員が社会の様々な問題を提起して、オンライン上で署名を集めるサイトです。


私もときどき署名しています。


私の関心のありそうな話題をピックアップして(るんだと思う)署名を求めるメールが送られてくるのですが、先日「グリホサート製品とネオニコチノイド系農薬製品の販売を中止してください!」というキャンペーンが来ました。


グリホサートは「ラウンドアップ」というおそらく世界で最も売れている除草剤の成分。ネオニコチノイドは殺虫剤の成分のひとつで、とくに蜂への影響が大きいことが以前から主張されています。


グリホサートについては来週にまわして(本当か?)今回はネオニコ。


といってもあまり調べていない・・


ニコチノイドだからニコチンですね。タバコのアレです。


ニコチンが虫に効くというのは昔から知られていたようで、タバコを水に浸してニコチンを溶出させたものを田んぼに撒いていた・・とかいう話を聞いたことがあります。


油で虫の気門をふさいで窒息死させる方法も昔からあって、食料油とか、油なら何でもいいからとりあえず撒いとけ的時代があったようで、それが今のスプレーオイルなどのオイル系農薬になっているんですね。


合成ピレストロイド系」農薬も、蚊取り線香に使われていた除虫菊の成分がもとになっているし、そういうの結構多いみたいです。


それはさておき、飯綱町でも議会でネオニコを禁止したらどうか、という議案が出されていました。


そう言われても、町としては簡単にウン、とは言えない。なにしろ農家が多いですからね。

下手に禁止して被害が甚大なら大変なことになりますから。


それでも、意欲があれば、「すぐにはできないが研究会を発足させて、検討してみる」ぐらいは言えるはずですが、そういう考えは今のところないようです。


たしかに蜂の数が減少しているのは現場でも感じられるらしく(私はキャリアが浅いので、よくわかりませんが)、その原因をネオニコに求める向きも多い。


ヨーロッパのある国では(フランスだったかな?)ネオニコ禁止したけど、その後蜂の数が回復したという報告はないそうです。


そもそもネオニコがダメで、「合成ピレストロイド」や「有機リン」はいいのか?という話もあります。


ネオニコ=悪の元凶


という構図は、ネオニコ系農薬で稼いでいるメーカーにしかけたライバル企業の策略・・?と思ったりもします。


そう言いつつも、ウチでは昨年からネオニコ系殺虫剤は使っていません。


ネオニコ批判を頭から信じているわけではないし、別の殺虫剤を撒くなら結局同じじゃないの?という心の声も聞こえますが、もし、これで蜂が増えるなら・・という期待があります。


昨年はネオニコを使わなくても、平年以上の被害はありませんでした。


今年は委託されている町のりんご並木の消毒も、非ネオニコ体系で行こうかと思案中。

これでうまく害虫を抑えられれば、町も動くかもしれませんね。


少なくとも「日本一のリンゴの町を目指す」と公言していることですから、「脱ネオニコ」宣伝はイメージ戦略(あえてこう言いますが)としても良いと思います。


消費者はこういうのに弱いですから。

posted by 農天気 at 21:42| Comment(0) | よもやま話