2019年10月26日

ちょっとイラっと来る質問(横澤夏子風に)

果樹農家やってるとよく聞かれること。


「今、リンゴ(と桃)どのくらいやってるの?


耕作面積を聞かれている(と思う)のですが、この質問を受けるたびにちょっと疲れてしまいます。


それを聞いてどうするのでしょうか。


果樹は永年作物なので、耕作面積=収量ではありません


これが例えば毎年植えるコメなら、10a当たり収量10俵(約600kg)、1haで6t・・とか、レタスなら10a当たり8000本植えで、約4t採りとか・・定植本数で収量もおよそ計算できるのですが、リンゴの場合は生育ステージによって収量はまるで違います


10a12本植えのケースでは、一本当たり20個しか採れない若木では10aでわずか240個(80sくらい)、大木で一本1000個採れるなら10aで12000個(約4t)、その差なんと50倍!


リンゴ作っている人なら面積を聞くことに意味がないことはわかるはずなのに、なぜか聞かずにはいられないらしい。


とりわけウチは耕作面積(草刈り管理面積)と収量とのギャップが大きいので、この質問をされると面倒なので、適当にお茶を濁しています。


posted by 農天気 at 21:26| Comment(0) | よもやま話

2019年10月18日

鳥の味覚はどうなってる?

人は言う。


「鳥は旨いりんごを知っている・・」

「鳥は熟したりんごから狙って食べに来る・・」

「おいしいりんごはガッツリ食べるが、不味いりんごは少しだけ突っついて次へ行ってしまう・・」


私は思う。


「おとぎ話か!?」


ミミズや羽虫食ってる連中と人間の味覚が同じなワケはないと思うのは私だけ?


熟したりんごは赤くて目立つから喰われるんじゃないの?

先に熟す高い枝のりんごは鳥にとって攻撃しやすいから先に喰われるのでは?


そんな疑問をずっと抱えていましたが、先日、ある新聞記事に目が留まりました。


「動物の味覚の研究も飛躍的に進展した」とあります。


味を感じるセンサーである味覚受容体の遺伝子が解明されたことにより、しゃべらない動物の味覚についてある程度分かるようになってきたそうです。


ネコが甘いものに興味を示さないのはネコが甘みを感じないから。ネコ科の動物はゲノム上の甘味受容体の遺伝子が変異していて働いていないこと分かった、とあります。


ムクドリやモズ、ヒヨドリ、カラスなど、りんごを食害する鳥たちについての研究成果はありませんが、彼らの同族であるニワトリは苦味受容体を3種類しか持たず(人間は25種類)、甘味受容体は持たない


おなじく鳥の仲間のペンギンは甘味・苦味・うま味を感じる遺伝子がないので、酸味と塩味しか感じない可能性がある。

たしかにペンギンは魚を丸呑みしている・・味わっているようには到底見えません。


やっぱり鳥たちにはりんごの美味しさはわからないんだよ!


同じく、虫食いの野菜を「虫が食べるほどおいしい野菜」などという強弁も、人と虫を両方バカにしているように聞こえます。


「蓼食う虫も好き好き」というくらい、虫の食の好みも種によって違う。


まして人にとって美味しいから、鳥や虫にとっても美味しい・・という理屈は、むしろ恐ろしく人間様中心的な、人間以外の生物に対して著しく敬意を欠いた考え方なのではないかと思います。

posted by 農天気 at 20:55| Comment(0) | よもやま話

2019年10月12日

「土俵の鬼」の生家は悲劇のリンゴ農家

今朝(10月12日)の信濃毎日新聞のコラム『斜面』に、室戸台風のエピソードがありました。

その名の通り高知の室戸岬から上陸した台風は本州を縦断して東北へ抜け、青森のりんごも甚大な被害を受けました。


「土俵の鬼」初代若乃花の一家はりんご10ヘクタールを栽培する豪農だったそうですが、りんごは一夜で全滅、一家は破産。北海道へ渡りました。少年花田勝治は家族を助けたい一心で力仕事をこなし、それが大相撲での活躍を支えた足腰を作り上げた・・・


聞いている分には美談ですが、実際自分が同じ目にあったら何ができるだろう・・と考えずにはいられません。

営農規模が大きいほど失敗したときの損失も当然大きい。うちは豪農というには遠い小規模農家なので、そこまでのリスクは背負っていませんけども。


台風の影響でワールドカップラグビーの試合の中止が決まり、準決勝進出を逃したイタリアが「台風の時期だというのはわかっていた。プランBを用意するべきだった。」と不満をぶつけたそうですが、農家の人生にも「プランB」が必要な時代なのでしょうか。



posted by 農天気 at 10:15| Comment(0) | よもやま話