2019年09月28日

to buy or not to buy?

わが町、飯綱では農業機械をレンタルしています。


主に新規就農者向けにスピードスプレヤーと乗用草刈り機を購入し、民間農業経営体に委託して貸し出しています。


地方創生なんたら交付金という単発の補助金を使った事業なので、たぶん壊れたら「次」はないのではないかと想定しています。


さて、私はもう新規就農者を名乗るのははばかられる立場ですが、ちゃっかり利用しています。ほぼ草刈り機で、SSは一度だけ。

だって、利用者があまりいないので、私が使わなければ宝の持ち腐れですから。


レンタル料は草刈り機の場合、半日1,000円、一日2,000円。

安いですね。


全ての畑を回るのに丸一日かかるとして、それを年8回やると16,000円。

うちの場合もう少し使うので約20,000円。燃料はもちろん自分持ちですが、その他のメンテナンス(オイル交換・刃の交換・修理などなど)はすべて受託している経営体がやってくれます。


一方、この乗用草刈り機(別名モアー)を新車で購入すると約70万円15年使用できたとすると一年あたり約46,000円。そのほかに先ほど述べたメンテナンス代がついてくるので、コスト的には借りた方が断然安い

(農機具の減価償却は7年だろ!というツッコミはなしにしましょう。あれは税務処理上の方便で、零細農家の現金管理には役にたちません)


もちろんデメリットはたくさんあります。

使いたいときに使えるかはわからないし、掃除して返さないといけないし、一度にすべての畑を草刈りするわけですが、畑によって草の伸び方や管理作業に入る時期は違うので、一律同じ時期に刈るというのは非効率でもあります。


うちの草刈り機は中古で買って10年ほどたち、だいぶガタがきていて酷使には耐えないので、主にこのレンタル機を利用していたいました。


ところがこの自前の機械がいよいよリタイヤになってしまいました。

たとえレンタルをメインに使っていても、自分の機械がないのはかなり不便


中古を買ってもそこそこ動くものなら30万円。15年使ったとして(フル稼働ではないのでこのくらいもつとして)一年あたり2万円。

レンタル代と合わせるとそこそこの金額になってしまいます。


適切な時期に自由に草刈りできるメリットを考えると、新車を買うべきなのでは・・・

と悩んで、結局買ってしまいました。


不勉強にして知らなかったのですが、乗用草刈り機の販売元のうち、オーレック・イセキ・共立の3つは、いずれもオーレックの車体を使っているそうです(オーレックは福岡を拠点にする国内メーカーです)。OEMってやつですね。日産の得意な。


ところがオーレック・イセキのエンジンはkawasaki、共立のエンジンはブリックスというアメリカ製だそうです。


なぜ共立がアメリカ製のエンジンを使っているのか、それは大人の事情のようです。

kawasakiのバイクを持っていた(あまり乗ってなかった!)私としてはkawasakiエンジンを推したいところです。

posted by 農天気 at 20:00| Comment(0) | よもやま話

2019年09月21日

タコつぼの神秘

先日取り上げた「おいしいモモ栽培」でもうひとつ興味深かったのが、その施肥方法


このあたりでは、桃に肥料をくれるときは植え付け時を除いて表面散布、つまり地面の上に肥料をまいて終わり、以上、というのがほとんどです。

水に溶けて(有機肥料の場合は土壌微生物に分解されてから)肥料成分が土に染み込み、それを根っこが吸って効いてきます。


桃はりんごに比べて根が浅く張るので、表面施肥でも効果が実感できます。

ただ、それでも土壌表面から土中に染み込んだ成分がどの程度根まで届いているかといえばはなはだ心もとない。


ある説では(りんごのケースですが)、草生栽培(表層を耕した状態ではなく、草をはやした状態で管理する方法)の場合、施用した窒素のうち樹に吸われて活用されるのは1%(!!)だという話もあります。


1%はともかく、表面施肥は効果の発現まで時間がかかり、かつムダが多い、という気はずっとしています。しかも表層に近い位置に肥料成分があれば、根っこも当然浅い位置に張ることになり、結果、干ばつなど土壌の環境変化に弱くなります。


前振りが長いですが、その「おいしいモモ栽培」が推奨する方法は「タコつぼ施肥」。


穴を掘ってそこに肥料(特に堆肥をはじめとした有機質)を土と混ぜて埋め戻す方法です。


深い位置に肥料を置くことで、雑草に吸われる量を抑え、ターゲットである桃の樹にしっかり効かせる。しかも根っこは深い位置に張るし、腐植(有機物が分解されてできた黒っぽい土)を土中にしっかり供給することができる・・実にいいことづくめの方法です。


しかしわざわざ穴を掘るのですから面倒くさい。庭木ならよいですが、何十〜100本以上もある樹のすべてに行うのは至難です。

本には、「30pの穴をできれば80cm、最低でも50cmの深さで」と書いてありますが、ある程度の大きさのオーガがなければムリ!


つまりそれがこの地域で普及していない理由だと思います。

でも、うちの樹はいつも葉色が淡くて葉が小さいので、なんとか肥料を有効にきかせたいと思っています。

穴を掘ると当然その部分の根っこが切れるので、それがよくないと思っていましたが、その本によれば、実は少し根っこは切ってやった方が、そこから細根がたくさん出て良いのだそうです。

だとしたらやるしかない!


タコつぼ施肥と表面施肥を樹を分けてそれぞれ半分ずつやってみようと思います。


穴掘りに挫折しなければですが。


ちなみにこのタコつぼは、長野県の果樹栽培指針の本や、福島の研究者が書いた本には載っていないのですが、山梨ではけっこうやっている人がいるのかもしれません。


posted by 農天気 at 23:20| Comment(0) | よもやま話

2019年09月14日

日傘は必須の時代

町の図書室(図書館というほど大きくない)に行って物色していたら、こんな本がかなり目立つ置き方で並んでいました。


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「失敗しない家庭菜園」とか「誰でもできる自然農法」みたいな「裏庭で果樹を育てている初心者向け」という感じの表紙です。


あまり期待しないで開いてみると、やはりかなり基本的な内容なのですが、この本、山梨の桃研究者が書いています。


桃の最大産地・山梨は、長野や福島とは少し栽培ノウハウが違うようで、前々から気になっていました。


中でも興味があったのは、山梨の桃農家は桃に掛けるのに二重袋を使う人が多いということ。


二重袋は、一枚袋をはぐと中の半透明の袋が傘のように残ります(下が閉じているバージョンと開いているバージョンがあります。開いている方が一般的らしい)。


傘が残ることで雨に濡れにくくなって病害の防止になり、かつ光は通すのでちゃんと着色するという仕組みです。


なぜ山梨で使っていてこっちでは使っていないのか。

聞いたことはありませんが、おそらく生育の早い山梨では梅雨の最中に除袋するので、その後の雨の被害が大きいことと、この袋は除袋がとてもやりやすく早いらしいので、規模の大きい桃農家が多い山梨ではその点が重宝されているのかな、と。


うちでは近年、雨による病害(くされ)や強い日射による日焼けの被害が大きいので、この二重袋に関心がありました。


この本でメリット・デメリットや使い方がだいたいわかったので、来年導入しようと思います。

posted by 農天気 at 22:10| Comment(0) | よもやま話